Category お知らせ, 新着記事  Date 2021.3.2

ロシア外交官と家族、手押しトロッコで北朝鮮を出る

引用:ロシア大使館FBページ

ロシア外務省は25日、北朝鮮のロシア大使館に勤務するロシア人外交官とその家族が、手押しトロッコという異例の手段でロシアに帰国したと明らかにした。北朝鮮は新型コロナウイルス対策として国境を封鎖している。このため、外交官たちは「ほかに手段がなかった」とロシアは説明している。
外交官と家族の8人はまず電車とバスで平壌からロシア国境まで移動。その上で、線路上を約1キロ、手押しトロッコで移動した。
北朝鮮は新型ウイルス対策として、ほとんどの旅客の出入国を禁止している。これまで国内に感染者はいないというのが公式発表だが、専門家たちは疑っている。
ロシア外務省はフェイスブックで、「国境が1年以上封鎖され、旅客の移動が停止しているため、帰国の旅は長く厳しいものになった」と明らかにした。

同外務省が共有した写真では、外交官と子供たちが荷物と共にトロッコに乗り、冬枯れの景色の中を移動している。また動画では、国境の豆満江に架かる鉄道橋を渡り、国境を越えた瞬間に歓声を上げる様子も映っていた。

動画説明,手押しトロッコで北朝鮮から国境越え ロシア外交官や子供たち歓声
同外務省によると、トロッコの「エンジン」役となったのは、ウラジスラフ・ソロキン3等書記官だった。書記官の3歳の娘ワーリャちゃんを含む8人は、平壌から電車で32時間とバスで2時間かけて、国境まで移動したという。
ロシア側の駅で外務省職員が出迎え、一行はバスでウラジオストク空港まで向かった。
北朝鮮の厳しい感染対策によって、国内の移動が制限されているほか、生活必需品も不足しがちだという。ウイルスの越境を防ぐため、国境地帯の警備は強化されている。
この1年間で多くの外交官は北朝鮮を離れ、欧米諸国は大使館をいったん閉鎖した。
外国からの旅行者の大半は国境を越えて中国に移動した。昨年3月にはウラジオストクへ向かった同じ飛行機で、一度にドイツ、ロシア、フランス、スイス、ポーランド、ルーマニア、モンゴル、エジプトの各国外交官がまとめて出国していた。

記事引用先:BBC News Japan